戦争は女の顔をしていない スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(三浦みどり訳)

著者は1948年ウクライナ生まれ、国立ベラルーシ大学卒業、ジャーナリスト、2015年ノーベル文学賞受賞。

 

第二次世界大戦ソ連とドイツの戦いにおいて、ソ連側の女性軍人やパルチザンと呼ばれる市民ゲリラなどの従軍女性へのインタビューを寄せ集めたものになっており、戦争の悲惨さを伝える反戦としての物語だけでなく、戦後世間から白い目で見られた従軍女性への差別偏見をなくすためにもこの本は書かれている

ーーつまり軍人は男性が大多数を占める中で、非力な女性が、男性が圧倒的多数を占める戦争に、わざわざ行っていた理由をあれこれ勘繰られた自らの戦争経験をひた隠しにしなければならなかったのだという。

 

月並みな感想ですが戦争は人を残酷に変えてしまうのだなと思います。

 

毎日ロシアのウクライナ侵攻のニュースが流れていますが、一刻も早い停戦と平和的な解決を祈るばかりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音学史に刻まれたロック〜英国プログレッシブ・ロックと反体制文化ーエドワード・マッカン(余田安広訳)

著者はアメリカ人、大学教授、ミュージシャン、作曲家であり、他にエマーソンレイクアンドパーマーに関する著作があるらしい。

 
プログレッシブロックを扱っている書籍は日本ではあまり多くないと思うが、プログレッシブロック全体を俯瞰するという意味ではこれ以上にまとまった本はないのではないだろうか?
 
基本的には大変読みやすい本だが、大学教授らしく各バンドの代表作をいくつか挙げて・・・和声、拍子、旋律が黒人音楽や宗教音楽との類似点が見られる・・・東洋思想や神学などの文学的表現が歌詞に見られる・・・のようにアカデミックな観点でガチガチに論じている章もあり、残念ながら私の理解が追いついていない箇所も多く残念だ。
 
シンコーミュージックから出ていたディスクガイドシリーズの青本と赤本はこの本を読む上で理解を助けてくれたーーこのディスクガイドシリーズではイエス、エマーソンレイクアンドパーマー、ジェネシスピンクフロイドのそれぞれ異なる音楽性のバンドが赤本に掲載されていて、キングクリムゾン、ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイター、カンタベリー出身グループのジャズ寄りのバンドが青本に載っている。
 
また著者のロバートフリップ評で、「目にも止まらぬクロス・ピッキング」、「ミニマリズムプログレッシブロックとの結びつきを最も強めたミュージシャン」「プログレッシブロック分野には、自由な型の即興の名手が何人かいた(最も傑出していたのは、キング・クリムゾンロバート・フリップ)」とかなり好意的な表現があり
ーーロバートフリップは英国出身のプログレッシブロックバンドの雄とも言われるキングクリムゾンのバンドリーダーであり、私が最も尊敬するギタリストの一人でもある
 
私はフリップが世間からあまり正当な評価をされていないような気がしていたので、読んでいて嬉しくなってしまった。
 
例えばこの間読んだジェネシスのギタリスト・スティーハケットの自伝にこのような記述があった。
 
ロバートフリップとスティーハケットが軽食をつまみながら話をしていて、途中でフリップがハケットに「ハケットが軽食のチーズを食べ過ぎており、本来フリップが食べるべきチーズも食べてしまっている」のような食事のマナーを注意された、だがハケットがふざけてさらにチーズを摘んだら二度とフリップに話をしてもらえなくなった、という。
 
おそらくこれは単なるハケットのジョークだが、それに近いニュアンスでフリップのことを茶化すような空気が私の周りに昔から蔓延しているような気がする(ネット界隈の書き込みにも近いものを感じるが、ネットに毒された人々なのだろうか?)
 
もしプログレッシブロックが大好きな人であれば、手元に一冊置いておいても良いのでないかと思います。
 
 
 
 

オーディオインターフェイス新調

自分がベースをやらせてもらっているバンドでDVDを作るというので昨年4月から数ヶ月間各楽器ごとに個別に録音をして楽曲を完成させるということがあった。

 

そういうことがあってかもしれないが宅録に興味が出て、元々ゲーム実況等の用途で家にあったオーディオインターフェイスに接続してみたところ、さーっというノイズが混じる。

 

コンデンサマイクやギターシールドを抜いてもさーっという音がしているので、おそらくオーディオインターフェイス自体からノイズは出ているようだ。

 

Macbook Proのスピーカーで聴くと分からないが、ヘッドフォンで聞くとかなり気になるレベルでなんとかならないかと思った。

 

Logic pro xのノイズフィルター機能を使っても、ギターやマイクの音声にノイズが混じってるし、入力が消えた直後数ms分ぐらいはさーっという音が完全に残っている。

 

マイクやシールドもそれほど良いものではないが、何も刺してないのにこんな調子では先が思いやられる。

 

元々持っていたオーディオインターフェイスが、宅録用ではなく、ゲーム実況等の用途のものだからかもしれない。

 

ただどんなに高いオーディオインターフェイスとはいえノイズは入るものらしい。

 

少し考えたが、あまり安い価格帯のものを買って大して変化がわからなかったら嫌なので、どうせならばと思い切って高い価格帯のものを買ってみた。

 

Universal Audio apollo twin X duo Heritage editionというのを買った。

 

箱から出すと意外と大きいのに驚く。

 

f:id:twillightallehouse:20220320123616p:plain

 

説明書も何もついていないので不安になるがとりあえずMacbookproに接続してみる。

 

認識は普通にされ、試しに前面のギター入力端子にギターを挿すと段違いにノイズが少ない。(入力音を大きくすると流石にノイズが混じるがそれでも少ない)

 

やはり宅録専用は違うと少々高い買い物だったが買ってよかったと感動した。

 

ただ色々と問題が噴出して、

 

1.まずマイク入力1から音が出ない。

 

どうも前面のギター入力端子にシールドが挿さっていると、マイク入力1からの入力は受け付けないようだ(ボタンとかで切り替えられるようにできないのかな?)

 

2.あとライン出力をアンプに繋ぐとひどいノイズが出る。

 

これはライン入力端子のある機器に挿さないとそもそもダメなようだ(他のオーディオインターフェイスに接続するためのものという理解でOK?)

 

3.プラグインのインストール方法がよく分からない。

 

説明書が何もついていないし、パソコンに接続したらソフトウェアが自動的にインストールされるわけでもない。

 

何か書いてあるんじゃないかと思いパッケージの文字を隅々まで読むと、パッケージの横に英語で分からなかったらUniversal Audioのホームページを見ろとのこと。

 

ダウンロードという項目があって色々やったら出来た?(それらしいものはダウンロードできたがそもそも使いこなせていないので上手くいったのかもよく分からない。ただこの辺は元々多機能すぎるところがあるので使っていって徐々に理解できれば良いのかな?とも思う)

 

今後宅録にバンバン使用していきたいと思う。

 

 

 

ここまで読んでいただき有難うございますm(_ _)m

 

 

 

 

 

 

オルタナティブロックの社会学ー南田勝也

著者は1967年生まれ、大学教授、社会学専攻、音楽やデジタルメディアに関する著書がある。

 

iTunesでダウンロードした音楽がAlternative Rockにジャンル分けされててなんなのだろう?と思っていたけれどNirvanaのカートコバーンの死を分割点として、それよりも後の従来型の売れ線から外れるようなロック音楽のことと理解しました!(自分の理解が足りない場合はすいません)

 

それらの音楽の特徴には過去の様々なジャンルの偉大なミュージシャンたちの音楽への尊敬と引用が見られるということ--つまりジャンル分け不能の音楽ということで良いでしょうか?(自分もそのような認識でした!)

 

また日本のオルタナティブロックの章では、1997年のフジロック参加アーティストが出ていて、非商業的というところで妙に納得してしまいました(大好きなバンドばかりですが(笑))

 

全体的にとても読みやすく、Altenative Rock発祥した当時の受け入れられ方が有名なアーティストの名前と楽曲と一緒に紹介されており、今まで自分の中で点だったものが一つの線になっていくような感じで非常に興味深く読めました。

 

ただ最近の音楽になるとそれは自分も当事者なので(学生の頃に好きだった音楽とかは特に)、そういう捉え方もあるのだなとちょっと一歩引いた感じで読んでしまう部分もありました^^;